教育というと学校教育を指すことが多いようです。幼稚園は文科省管轄の学校ですから、幼児教育も学校教育といってよいでしょう。
しかしながらその目的や方法、評価の仕方は幼児教育と小学校教育とでは違います。
幼児教育では方向目標、間接教育中心ですが、小学校教育では到達目標、直接教育中心に進められます。園児や児童の評価も、幼児教育では個人内評価、小学校教育では評価基準を前提とした絶対評価です。
方向目標とは到達点を示さず、努力の方向やプロセスを指します。ですから教育要領にある「幼児期の終わりの10の姿」は、あくまでも幼児教育の方向性を示したものであり、到達目標ではありません。
また、間接教育とは教育要領に「環境を通して行う教育・保育」と表現されているように、保育者は子どもが自発的、能動的に活動ができ、自らの成長、発達を促す環境を整えることが重要となります。
例えば「砂場」は幼児期において様々な学びを得ることができる環境ですが、ここで得た体験を基に振り返り共感を得ることで、様々な学びを身につけることができます。
先日、年長児に園長からの挑戦状を渡しました。
「やまのうえの がちゃぽんから すなばまで すいろを つくれ」という課題です。園庭にある人工の山の頂上から砂場まで水路を作って水を流すということなのですが、まずは話し合いから始まります。
ペットボトルで、段ボールで、牛乳パックでと何を使って作るか意見が出ます。とりあえず試しに作り始めたのですが、ペットボトルは園児には加工が難しく、すぐに断念。段ボールは加工しやすいですが、水を吸ってしまします。テープを貼ればいいという意見もありましたが、一々貼るのは手間です。結局牛乳パックをつないで作ることになりました。
ところが今度はつなぎ目から水が漏れてしまいます。現在は水漏れを防ぐために試行錯誤中です。今後、見事に水路を作ることができるのか楽しみです。
失敗は新たな発見の連続です。材質の違いを学んだり、気づかないうちに重力についても学んでいます。うまく完成できなくてもいいんです。
ご家庭でもすぐに答えを用意したり手を出したりせず、いろいろチャレンジさせてみてはいかがでしょうか。
人生は始まったばかりですから、今のうちにたくさん失敗しておきましょう。